「ふつうの家族」か

ステップファミリーをどう呼びますか

「ふつう」の家族にとらわれることが負担になる

 ステップファミリーとなった家族に対し、「実子と思って(育ててね)」や「新しいお父(母)さんができてよかったね」「ふつうの家族と同じよ」と声をかけることがないでしょうか。

 その声かけには、「ふつう」の家族、つまり初婚の核家族と同様の関係や役割を期待していることがうかがえます。しかし、こうした期待はステップファミリーの発達プロセスや構造にそぐわないものです。

 既成の小さな枠組みの家族観に、ステップファミリーをはめ込もうとすると負担や痛みを生じさせることになります。ステップファミリーは必ずしも同一世帯のメンバーのみを指すのではなく、世帯を越えた親子関係、法律上の婚姻でないカップルや養子縁組しない継親子などが含まれます。社会が、「家族」であれば、同じ世帯に暮らし、法的な結びつきがあるのが当然とみなしていると、その型に外れたと感じるステップファミリーの大人や子どもまでも、「ふつう」でないことに落胆や失望を感じかねません。

 ステップファミリーがめざすのは「ふつう」の家族ではありません。ステップファミリーとしての特徴を理解した上で、健康なコミュニケーションと関係作りを積み重ねた結果、心地の良い関係を育むことが、ステップファミリーとしての成功と言えるでしょう。

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