ステップファミリーの構造と発達
初婚の家族とは構造も発達も違う
ステップファミリーは以前のパートナーとの別れという喪失経験をした後に、実親子だけの親密な関係を経験することが多いです。実親子の関係が先にある中に、親の新たなパートナーやその子どもなどを迎えることにより、家族の中に構造的な複雑さを作り出します。
下のダイアグラム(図1)の例では、母子が長い期間をともに過ごしてきたので、深い愛着関係を築いており、一定の習慣や価値観を共有しています。そこに後から加わるメンバーは、交わることの難しさや自分の存在価値の揺らぎを感じることも珍しくありません。そうした家族の難しさを気にかけずに、継親がいきなり親のように振る舞い、子どもを厳しくしつけるなどの行動を取ると、家族関係に強い緊張をもたらすことがあります。一見、初婚核家族との違いが見えにくいのがステップファミリーです。しかし、初婚の核家族とは明らかに異なる発達の道筋をたどります。そのため、独自の配慮と工夫が必要になります。