再婚実母:いずみさんの場合

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プロフィール

お名前:  いずみさん
ステップファミリー歴:15年

ご家族の構成:再婚実母の私、初婚継父の夫、実子娘(26歳)、実子息子(23歳)が同居。
実子たちは幼いころは定期的に実父と面会交流していたが、再婚後は年1回程度会う。LINEは年中している様子。

経緯:20年前に別居し調停離婚。その際実子2人は実父親権者、私監護者という状況でのシングルファミリーでした。その後再婚により夫の地元へ引越し。15年間、子どもたちの不登校、発達障害など山と谷を越え、今も現在進行形で歩いています。

ステップファミリーならではの経験、率直な実感を教えてください

 親権分属※、親子で苗字が違う、最初から「ふつう」とか「常識」から外れた結婚生活の中で、夫としては「家族としての目に見える形」がほしかっただろうし、それが「常識」だと普通に思っていたと思います。それが「普通って何よ?」という嫁につかまったわけで、初婚の夫にとっては混乱も大きかったと思います。それを乗り越えてきたのは、けんかではなく、できるだけ理性的に話し合うことができたからかなと今では思っています。夫はまた別の考えかもしれません(汗)。

※親権分属とは 未成年の子どもの親権は「親権」と「身上監護権」の2つがあり、離婚の際に、両親がそれぞれ分けて持つこと。一般的には親権者と子どもの氏が同じになり、監護者の親の復氏(婚姻前の氏に戻る)により、同居している親子でも氏が異なることになります。いずみさんのケースの場合、カップルは同氏ですが、子どもたちのみ親権者(元夫)の氏だったということになります。

子どもたちへの説明はどんなふうに?その反応は? 

 娘については、離婚当時からかなりの理解力があると思ったので、離婚時も再婚時もできるだけ説明しました。また、子どもたちは、再婚後しばらくしてから、それぞれ実父の親権を変更し、夫と養子縁組をしました。息子は今も夫との養子縁組を継続していますが、娘については彼女の意思で成人後に離縁しました。そういう、再婚してからの子どもたちの経緯を振り返ると、子どもそれぞれにとって相当なストレスになっていたのだと思い知らされます。夫は当初の数年、子どもたちに対して厳しく躾けたいと考えて接してきたところがあり、それが子どもたちの心の傷になっていると感じています。

パートナーとの関係に変化はありましたか? 

 今の夫とは、以前の結婚の期間をとうに越え、パートナーシップというのは果てしないコミュニケーションなんだなと思います。トラブルがあった時に、自分が冷静でなければ夫との間で建設的な突破口が見つけられないと思っています。こう書くとラブラブとは遠いかもしれないですけど(汗)。私はあまり自己主張が得意ではないのですが、子どもを守るという点では、引いてはいけないところは絶対に引いてはいけないんだと思っています。また、夫婦間ではお互いに自分の気持ちは尊重するというか、適度な距離感で、お互いのやりたいことをやるという近年です。夫にとっては、時々自分の趣味の時間を持つことで、子どもたちを多少冷静に、諦観も込みで安定して見られるようになったかなと思います。

別居親・親族との関係や状況・思いを教えてください

 私にとっては、調停時から実父とは相当関係が悪く、面会交流で子どもたちを送り出すたびに胃が痛かったですが、時間の経過とともに、子どもたちを見守るというポイントでは一致してきているのかなと感じます。その境地に来るまで長かったです。ただ、子どもたちには、実父は父だし、おじいちゃんおばあちゃんは変わらないんだと伝えてきたので、冠婚葬祭の時には行かせました。

周囲の理解やサポートはありましたか?

 再婚の時あたりから、SAJには大変お世話になっています。夫もリーブスに参加させていただいたことがあり、当時は聞いても感情的に受け入れられなかったことでも、時間とともに理解できるようになったことはあるようです。夫の親族の皆さんからは、再婚で他所からやってきた私と子どもたちに適度な距離感で関わってもらったので、とてもありがたかったです。

これからステップファミリーになる人へのメッセージ・アドバイス

 一つ目に、再婚する前に、起こりえるいろんな状況についてパートナーと率直に話し合っておくことをお勧めします。初婚の夫婦でも同じかもしれません。建設的なコミュニケーションが取れるかどうかにかかっていると思います。二つ目に、子どもたちともよくコミュニケーションを取ることです。子どもたちは、親の再婚によって、ステップファミリーの中で成長していきます。その成長の過程で躓くこともあるし、気持ちが変わることもある。それは、夫婦である大人も同じです。ああ、言わなきゃよかったな、やらなきゃよかったなという後悔も山ほどあります。だからこそ、大人も子どもも、完璧な人なんていないんだ、間違うことがあっても、諦めないでね、って伝えたいです。

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