再婚実母:モアナさんの場合

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プロフィール

お名前:  モアナさん
ステップファミリー歴: 8年半

ご家族の構成: 再婚実母の私、再婚継父の夫、実子(男)11歳が同居。夫には別居の実子(17歳、14歳)がいて定期的に面会交流をしている。

経緯:息子を出産した年に、前夫が病死しシングルマザーになりました。働きながらシングルで子育てをしていましたが、息子が3歳のときに今の夫と出会い、ほどなく再婚しました。今の夫は別居の実子と定期的な面会交流をしており、再婚後も継続しています。私の実子は再婚後、しばらく実父方の祖父母・親戚との交流が途絶えましたが、数年前に復活しています。

ステップファミリーならではの経験、率直な実感を教えてください

再婚してしばらくは、夫婦仲良く、家庭もうまくいっていたように思えましたが、息子がなかなか夫には懐きませんでした。1年くらいしたころから徐々に、夫の息子に対するしつけが厳しくなり、息子はそれに反発し、急速に継父子関係が悪化。まだ言葉でうまく表現できない息子は体調に異変をきたし、夫婦喧嘩も激しくなりました。息子が小学校に上がる頃には明らかに継父に反発しだし、一触即発の状態になりました。これでは家庭がもたないと別居や離婚すべきが悩んだ末、まずは、フルタイム正社員の仕事を辞めました。その後、色々と情報をとっていくなかでSAJの活動を知り、ステップファミリーの難しさや同じように悩む家族がいることを知りました。「ふつうの家族」でなくてもいいー私たちにあった家族のかたちを今も探しています。

子どもたちへの説明はどんなふうに?その反応は? 

再婚したとき、息子がまだ3歳いうこともあり、きちんと説明をせず、同居することになりました。息子は言葉で表現はできなかったのですが、実際は戸惑っていたと思います。しかし、それに私が気付くことはありませんでした。その後、息子の実父は亡くなっており、私が今の夫と再婚をしたと伝えたのは、息子が小学校2年生の頃です。生まれた頃のことを調べる宿題が出されたときに話しました。息子はきょとんとしていましたが、あまり質問もなく淡々としていました。

パートナーとの関係に変化はありましたか? 

最初は、初婚カップルのようなラブラブぶりでしたが、継父子関係が悪化してきてからは、毎晩のように子どものことでケンカをするようになりました。パートナーとしてはお互いに不満はないのに、子どもの親としては天敵のような関係になってしまいました。転機は私がフルタイム正社員を辞め、フリーランスになったことです。まずは家族のために使う時間を増やしたことで、自分の心に余裕ができ、相手の立場にたって話ができるようになりました。家族とは、父親とは、こうでなければならないという自分の固定観念を取り払ったことで、夫も徐々に態度が軟化し、お互いを思いやれるようになりました。子育てのことではまだ意見が食い違うことは多いですが、今は離婚の「り」の字も出ません。

別居親・親族との関係や状況・思いを教えてください

シングルマザーの時は、亡夫の実家に年に数回は訪れていました。また、親戚たちも頻繁に遊びにきてくれていました。しかし、再婚をすることを、義父母伝えたところ、再婚後は義父母と孫との交流をしないほうがいいと強く言われました。息子が継父に懐くようにするためだとの想いからです。そのため、再婚後、4年ほどは手紙で息子(孫)の写真を送るくらいで、息子と祖父母との交流はありませんでした。息子に出自のことを説明した後、祖父母や親戚と再会しました。祖父母は泣いて喜んでいました。

周囲の理解やサポートはありましたか?

私の親、再婚相手の親、亡くなった夫の親も再婚に賛成でした。死別ということもあったのかもしれません。また、職場の上司、同僚、友人、知人すべてが大変喜んでくれました。それもあり、再婚どうしにも関わらず、盛大な結婚式をしました。その後、継父子関係でうまくいかなくなりましたが、周りにうまくいっていると思われたいという意地もあり、なかなか相談することはできませんでした。最終的に私の悩みのサポートとなったのは、SAJ編著の書籍「Q&Aステップファミリーの基礎知識」です。この本に出会い、ステップファミリーの難しさや、他にも同じように悩んでいる方がいるということを知ったことが私たち家族の問題解決に大いに役立ちました。

これからステップファミリーになる人へのメッセージ・アドバイス

私はステップファミリーという言葉も知らずに再婚しました。養子縁組のことや、子どもの氏の変更についても軽く考えていました。私と夫が夫婦として仲良くしていれば、夫は息子のことを愛してくれるし、息子も夫のことを、本当のお父さんだと思い懐くだろうという変な自信がありました。しかし、ふたを開けると、全く自分の思い描いていた家庭と異なる状況になり、息子にも寂しく嫌な思いをさせてしまいました。再婚をする前に、もっとステップファミリーのことを知っていれば、傷は浅かったかもしれません。また、養子縁組制度についての知識がもう少しあれば、様子をみながら養子縁組をするかどうか選択し、継父子関係もあせらずに構築していけたかもしれません。このように、知っていれば、誰かに聞いていれば、調べていれば、私たち家族の悩みは実際よりは少なかったかもしれないし、夫婦・親子の関係でお互いを傷つけあうこともなかったかもしれません。悩めるステップファミリーも多いですが、それと同じくらいうまくいっているステップファミリーも多いです。ちょっとした疑問や不安があれば、ぜひ、信頼ができる情報をあたってください。

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